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医者・医師・歯科医師を夫にもつ妻の離婚について ~妻が医療法人・病院等の従業員になっている場合~

  • コラム

医者・医師・歯科医師の夫が、自らが経営する医療法人・病院・クリニック等で妻を従業員として雇用しているケースは多くみられますが、離婚に伴い、夫から、妻に対し、従業員を辞めるように要求されることがあります。

しかしながら、妻としては、従前の勤務先を失うこととなる結果、離婚後の収入が完全に途絶えてしまう場合もあります。

では、このような場合、妻は、どのように対応すればよいのでしょうか。

この点、夫婦の離婚問題と医療法人・病院等における雇用関係の問題は全く別個の問題なので、離婚とは別に、医療法人・病院等との雇用関係をどのようにするかを考えなければなりません。

退職勧奨された場合

退職勧奨とは、雇用主が従業員に対し退職を促す行為のことです。

あくまで労働者側である妻の自由な意思に基づく退職を促すものですので、退職勧奨をされた妻には、退職に応じる義務はありません。

離婚後も医療法人・病院等で働き続けたいとの考えるのであれば、退職を拒絶すべきものと考えられます。

解雇された場合

解雇とは

解雇とは、雇用主が一方的に従業員との間の雇用契約を解消する行為のことです。

つまり、経営者である夫が一方的に従業員である妻をクビにする場合がこれにあたります。

なお、解雇には、一般的に、懲戒解雇、整理解雇、普通解雇の3種類があります。

懲戒解雇

懲戒解雇とは、従業員が規律違反や非行を行ったときに、懲戒処分として行うための解雇のことをいいます。

整理解雇

整理解雇とは、医療法人・個人経営の病院の経営悪化により、人員整理のために行う解雇のことをいいます。

普通解雇

普通解雇とは、懲戒解雇・整理解雇以外の解雇のことをいいます。

懲戒解雇・整理解雇・普通解雇のどの場合であっても、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(労働契約法16条)との規定が適用されますので、雇用主である医療法人や夫の一方的な都合や、不合理な理由による解雇は認められません。

そのため、「離婚をするから」という理由のみでは、解雇が有効とは言えない場合が大半であると考えられます。

このように、離婚をするからといって、直ちに妻の医療法人・病院等における従業員の地位が脅かされるわけではありません。

ただし、離婚後も、夫や夫の親族が働く医療法人・病院等で勤務を続けていくことは気まずくて働き辛いなどの事実上の問題もありえますので、妻としては、離婚後、どのような仕事につき、どのような生活を送りたいのか、よく検討したうえで、従業員の地位をどうするのか、判断すべきものと思われます。