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不貞行為(浮気・不倫)をした配偶者への養育費の支払いについて

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 夫または妻の様子がおかしく、浮気や不倫を疑って悩んでおられる方もいるかもしれません。
 浮気や不倫の定義は人によって異なりますが、離婚や慰謝料請求を考えたときに法律上問題となるのは、その行為が「不貞行為」に該当するかどうかとなります。
 一般的に使われる「浮気」や「不倫」が必ずしも「不貞行為」に該当するわけではありません。
 本コラムでは、不貞行為(浮気・不倫)をした配偶者へ養育費を支払う必要があるか、養育費の減額を主張できるかについて解説いたします。

養育費について

 父母は、離婚後も、親権の有無や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを扶養する責務を負います。そのため、離婚後に子どもと別居する親も、その経済力に応じて、子どもの生活費、教育費、医療費など、子どもの養育に必要な費用を分担しなければなりません。この費用を養育費といいます。
 養育費を負担する義務は、子どもに親と同程度の生活を保障する「生活保持義務」と考えられています。そのため、支払う側に生活の余裕がないというだけで、直ちに養育費の支払義務がなくなるわけではありません。ただし、収入や資産がなく、就労も困難であるなど、現実に支払能力がない場合には、具体的な養育費が0円と定められることもあります。

養育費の額についての判断基準

  養育費の額は、父母の話し合いによって定めることができます。話し合いがまとまらない場合や話し合いができない場合には、家庭裁判所の調停・審判を利用することができます。
 家庭裁判所の調停・審判では、一般に、父母双方の収入、子どもの人数や年齢に応じた「養育費算定表」が参照されます。そのうえで、子どもの進学や疾病などの個別事情も考慮して、具体的な金額が定められます。
 なお、養育費の取決めをしないまま離婚した場合には、子どもを監護する親は、取決めがされるまでの間、他方の親に対し、子ども一人につき月額2万円の法定養育費を請求することができます。ただし、これは暫定的・補充的な制度であり、父母の合意や家庭裁判所の調停・審判によって、具体的な養育費を定めることが重要です。

養育費算定表はこちら(平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所

有責配偶者とは

 有責配偶者とは、不貞行為や暴力などによって婚姻関係を破綻させたことについて、主として責任がある配偶者をいいます。民法770条1項は、裁判上の離婚事由として、配偶者の不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を継続し難い重大な事由を定めています。

不貞行為(浮気・不倫)をした配偶者は有責配偶者

 配偶者の不貞行為は、民法770条1項1号に定める裁判上の離婚事由です。不貞行為によって婚姻関係を破綻させた配偶者は、通常、有責配偶者に当たります。

不貞行為(浮気・不倫)をした配偶者に対しての養育費の支払い

 離婚後の親権は、父母双方が持つ共同親権となる場合と、父母の一方のみが持つ単独親権となる場合があります。また、不貞行為をした配偶者が親権者となり、又は子どもを主として監護することもあります。親権者や監護者を定めるに当たっては、不貞行為の有無だけでなく、子どもの利益を最優先に、これまでの監護状況、父母と子どもとの関係、今後の養育環境などが考慮されます。
 不貞行為をした配偶者が子どもを主として監護する場合、他方の親は、親権が共同か単独かにかかわらず、その経済力に応じて養育費を負担することになります。
 不貞行為をされた側としては、離婚の原因を作った配偶者に金銭を支払うことに抵抗を感じるかもしれません。しかし、養育費は、配偶者のためではなく、子どもの生活と成長のために支払われるものです。そのため、不貞行為があったことだけを理由として、養育費の支払を拒んだり、減額を求めたりすることはできません。もっとも、父母の収入の増減、子どもの進学、再婚など、養育費を定めた後に事情の変更が生じた場合には、養育費の増額又は減額が認められることがあります。

※本コラムは掲載日時点の法令等に基づいて執筆しております。