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改正民法による成人年齢の引き下げと離婚について

  • コラム

成人年齢の引き下げについて

 成人となる年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が令和4年4月1日に施行されました。

民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

第4条中「20歳」を「18歳」に改める。

第731条を次のように改める。

(婚姻適齢)

第731条 婚姻は、18歳にならなければ、することができない。

第737条を次のように改める。

第737条 削除

第740条中「第737条」を「第736条」に改める。

第753条を次のように改める。

第753条削除

第792条中「成年」を「20歳」に改める。

第804条の見出し中「未成年者」を「20歳未満の者」に改め、同条ただし書中「成年」を「20歳」に改める

民法の一部を改正する法律

成人年齢の引き下げが離婚に及ぼす影響

 成人年齢の引き下げは、離婚にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

親権について

 親権とは、未成年の子を養育監護するために父母に認められた権利・義務のことです。詳しくはこちらをご参照ください。
 親権は、子どもが未成年の間のものですので、子どもが成年に達するとなくなります。
 今回の改正民法によって、親権は子どもが18歳になるまでのものとなりました。
 そのため、以前は子どもが未成年であり、親権を争っていたとしても、子どもが18歳に達している場合は、親権を決める必要はなくなります。

養育費について

従前の取り決めについて

 子どもの養育費について、「子が成年に達するまで養育費を支払う」との内容で取決めを行っているケースが多いと思われます。
 この場合、取決めがなされた時点では成年年齢が20歳であったことからすると、成年年齢が引き下げられたとしても、20歳まで養育費の支払義務があると考えるのが相当です。

今後の取り決めについて

 今後新たに養育費の取り決めを行う場合、養育費の終期をいつにするかが問題になりますが、成年年齢が18歳になったからといって、養育費も当然に18歳までになるという関係にはなりません。
 養育費は、子どもが未成熟で経済的に自立することを期待することができない場合に支払われるべきものです。
 このような養育費の性質からすると、子どもが18歳に達したとしても、大学や専門学校に進学しているなど、経済的に未成熟である場合には、養育費を支払うこととなるケースが多いものと考えます。