不貞行為(浮気・不倫)の証拠について
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夫または妻の様子がおかしく、浮気や不倫を疑って悩んでおられる方もいるかもしれません。
浮気や不倫の定義は人によって異なりますが、離婚や慰謝料請求を考えたときに法律上問題となるのは、その行為が「不貞行為」に該当するかどうかとなります。
一般的に使われる「浮気」や「不倫」が必ずしも「不貞行為」に該当するわけではありません。
本コラムでは、不貞行為(浮気・不倫)を証明するために重要となる証拠について解説いたします。
証拠の重要性
配偶者に不貞行為があった場合には、その不貞行為を理由として離婚や慰謝料を請求することができます。もっとも、実際に請求が認められるかどうかや、認められる慰謝料の金額は、不貞行為の内容や時期、婚姻関係の状況その他の事情によって異なります。
また、不貞行為によって婚姻関係を破綻させた配偶者は、婚姻関係の破綻について主たる責任を負う「有責配偶者」に当たり、有責配偶者からの離婚請求は、原則として容易には認められません。
しかし、配偶者が不貞行為を認めない場合、離婚や慰謝料について協議を成立させることが難しくなることがあります。裁判で不貞行為を理由とする請求をする場合には、請求する側が、その事実を証拠によって立証する必要があります。
証拠の例
不貞行為は、一般に、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて性的関係を持つことをいいます。
不貞行為そのものを撮影した写真や動画などの直接的な証拠が存在することは多くありません。実際の裁判では、写真、メッセージ、録音、宿泊記録などの証拠を総合して、不貞行為があったかどうかが判断されるのが一般的です。以下は、不貞行為の立証に用いられることのある主な資料です。
- 写真・動画
配偶者と第三者がラブホテルに出入りする場面、不貞行為の相手方の自宅に宿泊した状況、宿泊を伴う旅行の状況などを撮影した写真や動画は、不貞行為を推認させる有力な証拠となり得ます。なお、その証拠価値を判断するうえでは、撮影日時や場所、滞在時間、撮影対象者を特定できるかどうかなども重要となります。 - LINE・メール・SNSのダイレクトメッセージ
LINE、メール、SNSのダイレクトメッセージなども、その内容によっては不貞行為を立証する有力な証拠となり得ます。性的関係があったことを具体的にうかがわせる内容であれば、重要な証拠として評価される可能性があります。他方、単に親密な関係がうかがわれるにとどまる場合には、それだけで不貞行為を立証することは難しく、ほかの証拠と併せて検討する必要があります。 - 録音データ
配偶者や不貞行為の相手方が、不貞行為の事実、時期、期間などを認めた会話の録音も、証拠となることがあります。
もっとも、威圧的な態度で不貞行為を認めるよう迫ったり、誘導的な質問を重ねたりすると、発言の信用性が争われるほか、別の紛争につながるおそれがあります。録音を行う場合にも、暴力、脅迫その他の不当な方法を用いてはなりません。
録音データを裁判所に提出する際には、通常、録音内容を記載した反訳書も併せて提出します。 - 興信所・探偵業者の調査報告書
興信所や探偵業者が作成した調査報告書も、不貞行為を立証する証拠として用いられることがあります。
もっとも、調査報告書の証拠価値は、写真の鮮明さ、日時・場所の記録、調査経過の具体性、対象者を特定できるかどうかなどによって異なります。調査報告書であれば常に不貞行為が認められるわけではありません。
証拠を収集する際の注意点
不貞行為の証拠を収集する際には、収集方法の適法性や相当性に十分注意する必要があります。
民事訴訟では、収集方法に問題があるからといって、その証拠が直ちに排除されるわけではありません。しかし、著しく反社会的な手段により収集された証拠については、証拠として使用できないと判断される可能性があります。
また、証拠として使用できるかどうかとは別に、証拠の収集行為自体が、プライバシー侵害などを理由とする損害賠償請求の対象となったり、住居侵入、不正アクセスその他の犯罪に該当したりする可能性もあります。
例えば、次のような行為は避けなければなりません。
- 配偶者の別居先や不貞行為の相手方の住居に無断で立ち入ること
- 暴力や脅迫を用いて事実を認めさせること
- 他人のIDやパスワードを無断で使用して、SNSのアカウントにアクセスすること
- 他人のスマートフォン等に無断でアプリや位置情報機器を設置すること
興信所・探偵業者への依頼
自身で証拠を収集することが難しい場合には、興信所や探偵業者への依頼も選択肢となります。
ただし、調査の内容、報告書の精度、料金体系などは業者によって異なります。依頼する際には、探偵業の届出の有無、調査方法、料金の算定方法、追加費用の条件、報告書の内容などを事前に確認することが重要です。
また、調査期間が長くなると費用が高額になる可能性があります。
まとめ
不貞行為を理由として離婚や慰謝料を請求する場合には、その事実を裏付ける証拠が重要となります。不貞行為があったかどうかは、個々の証拠の内容や信用性を踏まえ、複数の証拠を総合して判断されます。
また、証拠を収集する過程で違法又は不当な行為をすると、新たな法的問題が生じるおそれがありますので、注意が必要です。
※本コラムは掲載日時点の法令等に基づいて執筆しております。

