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株式の財産分与 〜株式の評価の基準時〜

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株式の財産分与

財産分与とは、夫婦が共同生活により形成した財産を分割することをいいます。

夫婦が共同生活により形成した財産に会社株式が含まれる際には、その株式も財産分与の対象となります。

株式には上場株式と非上場株式があり、その株式を評価する方法には様々な方法があります。

なお、評価方法に関する詳しい説明は、下記の記事をご参照ください。

上場株式の評価方法
非上場株式の評価方法(時価純資産法)
非上場株式の評価方法(類似業種比準方式)
非上場株式の評価方法(配当還元方式)
非上場株式の評価方法(DCF法)

株式の評価の基準時

また、株式の評価方法だけでなく、特に上場株式の価格は日々変動するため、いつの時点での価値を基準として、財産を分与するか、つまり株式の評価の基準時が問題となります。

離婚訴訟において、上場株式が財産分与の対象財産となる場合、原則として同訴訟手続における口頭弁論終結時の株価が基準となります(なお、財産分与の基準時につき判断した判例については、後述します。)。

ただし、別居後に売却をした場合には、その売却価格が評価額とされます。

これに対し、協議離婚や調停離婚の場合は、夫婦の話し合いによって、いつの時点の株価を基準とするかを決定することとなるのが通常です。

そのため、離婚成立時ではなく、別居開始時の株価を基準とすることもあります。

また、お互いの同意があれば、その他の時点の株価を基準とすることも可能です。

財産分与の基準時につき判断した判例

最高裁は、財産分与の額および方法を定める時期について争いとなった事件において、民法771条によって裁判上の離婚に準用されている民法768条3項について、同項には「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮」するとの記載があるところ、訴訟の最終口頭弁論終結時における当事者双方の財産状態を考慮して、財産分与の額および方法を定めるべきであると判断しました(最判昭和34年2月19日、民集13巻2号174頁)。