内縁関係における不貞慰謝料が認められた事例
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依頼者・相談者
男性 30代
背景・相談内容
Aさん(男性)とBさん(女性)は、交際を開始してから10年以上、同居してから3年以上の内縁関係にありました(共有名義で自宅不動産も購入していました)。
ところが、Bさんが不貞行為を行い、Aさんに対して、内縁関係の解消を申し出ました。
Aさんは、内縁関係を解消するか否か判断に迷っていたところ、AさんはBさんに対し、内縁関係解消の調停を申し立てました。
弁護士の回答・アドバイス
交際しているが結婚していない男女トラブルで重要なことは内縁関係が成立しているといえるか否かです。内縁関係が成立したといえると当事者は、同居義務、扶助義務、貞操義務など、婚姻関係と類似の権利義務を負うことになるからです。
内縁関係の成立には、「双方に婚姻の意思があること」及び「夫婦同然の共同生活の実態があること」という条件が必要であるとされています。
具体的には次のような判断要素を用いて総合的に決定されます。
・結婚式をあげた
・扶養配偶者として役所に届けた
・親族知人等に対して夫または妻として相手方を紹介した
・同居期間が長い
・共有名義で不動産を購入した
・二人の間に子がいる
・婚姻届けを出していないことについて合理的な理由がある・・・等
本件では、Bさんも内縁関係を前提に調停を起こしていましたので、この点は争いにならず、内縁関係関係を解消するか否か、解消するとして慰謝料等の条件をどうするかが争点となっていました。
Aさんと度重なる打ち合わせを行い、調停における方針を決定し、調停に挑むこととなりました。
手続きの流れ
調停手続では、Bさんも不貞行為の事実は認めていましたので、慰謝料の金額と財産分与の内容が問題となっていました。
当初、双方の条件は乖離していたものの、数回にわたる調停期日の結果、概ねAさんの要望が認められる形で調停が成立しました。
担当弁護士のコメント
内縁関係における不貞慰謝料は、婚姻関係における不貞慰謝料よりも金額が低額になりがちです。
しかし、本件においては、BさんがAさんに慰謝料及び将来の引越費用として200万円を支払うこと、共有名義の不動産は売却する方向で調整し、売却まではAさんが当該不動産に居住し続けること、売却益が出た場合は5対5の割合で分与すること、売却しても住宅ローン債務を賄うことができなかった場合はBさんが残債務を負担すること等が定められました。
慰謝料の金額が高額になった一つの要因として、Aさんには責められるべきポイントがなかったこと、Bさんが早期解決を目指していた半面Aさんは早期解決を特に望んでいる訳ではなかったので、条件面において大きく譲歩する必要はなく、淡々と手続に挑むことができたこと等が挙げられます。