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離婚に関する公正証書を作成した事例

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依頼者・相談者

Aさん 女性 40代

背景・相談内容

Aさんは、夫と娘、夫の母と一緒に夫の実家で暮らしていました。ところが、夫は不倫をし、そのまま実家を出て、不倫相手の女性Bの家で生活するようになりました。もっとも、当初、Aさんと夫は離婚することまでは考えておらず、しばらくはこのままの状態で別居を続けるということで合意していました。そこで、Aさんは、別居中の婚姻費用の支払や、不貞行為についての慰謝料の支払に関して公正証書を作成することにしました。

しかし、その後、Aさんは夫の実家での生活に耐えられなくなり、夫と離婚することを決意しました。これに対して、夫も離婚に合意したため、離婚に関する公正証書を作成することに変更しました。

弁護士の回答・アドバイス

当事務所の弁護士は、公正証書を作成するにあたって、Aさんと夫との間で具体的な内容についての合意が必要であること、具体的な内容が定められた公正証書を作成しておけば、仮に夫が債務を履行しなくなったとしても、強制執行の手続きを取ることができることを説明し、まずは夫との間で具体的な内容について協議することをアドバイスしました。そこで、Aさんは夫と協議し、公正証書にする具体的な内容を決めました。

手続きの流れ

Aさんから依頼を受けた当事務所の弁護士は、Aさんが夫と協議して決めた具体的な内容に基づき、公正証書にするため、「婚姻費用分担等契約公正証書」の原案を作成しました。同原案には、
①Aさんと夫が当分の間別居し、その間Aさんが娘の監護養育をすること、
②夫はAさんに対して婚姻費用として毎月10万円を支払い、娘の病気・進学等特別の費用が発生した場合には夫が全部ないし一部費用を負担すること、
③Aさんと夫は互いに住居等の変更をした際には通知すること、
④夫はAさんに対して不貞行為を原因とする慰謝料として200万円の支払義務があることを認めること、⑤夫が娘と面会交流する際にはAさんも含めた3人で行うこと等を記載しました。

その後、Aさんが夫と離婚することになったため、弁護士は、「離婚給付等契約公正証書」の原案を作成しました。同原案には、①Aさんと夫が離婚すること、②親権はAさんとし、夫はAさんに対して養育費として毎月3万円を支払うこと、③夫はAさんに対して不貞行為を原因とする慰謝料として300万円の支払義務があることを認め、毎月7万円ずつ支払うこと、④夫が慰謝料の支払いを2回分怠ったときには、夫は期限の利益を喪失する(残額を一括で支払わなければならない)こと等を記載しました。
弁護士は、同原案について、夫にも確認してもらった上、夫と日程を調整し、公証役場にて公正証書の作成を行いました。

担当弁護士のコメント

婚姻費用や養育費等の支払について公正証書を作成する際には、将来債務者(夫)が履行をしなかった場合に強制執行をすることができるように、支払の額や時期、方法等について明確に定め、また、「~支払う。」という文言で債務者(夫)に支払の意思があることを明確に記載しておくことが重要です。
また、慰謝料の支払をすることも記載する場合には、例えば数回分の支払を怠った場合には残額を一括で支払わなければならないとするような、いわゆる期限の利益喪失特約を付しておくことも多いと思われます。なお、その場合、支払われた金銭が婚姻費用や養育費の支払なのか慰謝料の支払なのかを明らかにするため、支払われた金銭をまずは婚姻費用や養育費に充当し、残りを慰謝料に充当するといったような条項を入れておく方が良いでしょう。