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会社経営者(社長)の夫をもつ妻の離婚について ~株式を財産分与する際の株式の評価方法(時価純資産法)~

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会社経営者の夫が保有している自社株式の評価方法

夫が会社経営者である場合、非公開の自社株式を保有している場合が多いと思いますが、このような場合、財産分与の方法には注意が必要です。

非公開の株式は、公開株式(東証などの証券取引所に上場しており、市場価格のある株式)と異なり、株式の価値が一見して不明瞭だからです。

そのため、非公開株式が財産分与の対象となる場合には、何らかの方法で、株式の価値(=会社の価値)を算出しなければなりません。

非公開株式の価値の算出の仕方には、いくつか方法がありますが、ここでは、時価純資産法を紹介します。

時価純資産法とは

時価純資産法とは、会社の保有する資産の時価総額から、負債の時価総額を差し引いた金額をもって会社の価値とする方法です。

時価純資産法では、有形資産(会社が所有する不動産、機械、オフィス製品、原材料などの実態のある資産)に加えて、無形資産(知的財産やノウハウなどの物理的な実態のない資産)も時価評価します。

時価資産総額から時価負債総額を引いたものを「時価純資産」と呼ぶことから、「時価純資産法」と呼ばれています。

時価純資産法による財産分与の例

例えば、夫が、発行済株式総数が100株である自社の株式を60株保有しており、その株式が全て夫婦共有財産である場合で、時価純資産法によると自社の価値が1000万円の場合を考えます。

この場合、夫の保有する株式には1株あたり10万円の価値があるということになります。

そのため、株式そのものではなく、株式に代わる代償金を受け取る方法により財産分与を行う場合は、妻としては、10万円×60株=600万円の2分の1である300万円を金銭で受領すると、夫の保有する自社株式を公平に分与できることになります。