15歳以上の子どもとの親子交流
- 親子交流
子どもが15歳以上である場合、どのような点に留意して、親子交流を行うべきでしょうか。
家事事件手続法における規定
15歳以上の子どもと親子交流の取り決めを行う際、裁判所は子ども本人の意思を聴取することが法律上規定されています。
家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判を除く。)をする場合には、第68条の規定により当事者の陳述を聞くほか、子(15歳以上のものに限る。)の陳述を聞かなければならない。
条文では「陳述を聞かなければならない。」と規定されているのみであり、子どもに親子交流の実施についての自己決定権があるとまでは言えません。もっとも、15歳以上の子どもの意見には相当の重みがあると解されています。
また、現行民法においては、父母は、子の心身の健全な発達を図るため、子の人格を尊重し、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならないとされています。そのため、親子交流の実施や方法を考えるに当たっても、子どもの年齢、発達の程度、生活状況、心情等を踏まえて、子の利益を最も優先して判断する必要があります。
子どもが別居親との交流を希望しているにもかかわらず、同居親の意向のみで会わせなかったり、子どもが別居親との交流を希望していないのに、無理に交流を実施しようとすることは、良好な親子関係を構築する上で、良い影響を与えません。
子どもは思春期であり、今後の進路などにも悩み、精神的に不安定な時期です。同居親も別居親も、子ども任せにするのではなく、子どもの心情を丁寧に聞き、親子交流をどのように実施するか、子どもの利益を中心に考えることが必要となるでしょう。
親子交流の試行的実施
現在の家事事件手続法では、家庭裁判所が、一定の場合に、事実の調査のため、当事者に対して子との交流の試行的実施を促すことができる制度も設けられています。ただし、これはあくまで子の心身の状態に照らして相当でない事情がなく、かつ、事実の調査のため必要がある場合の制度ですので、15歳以上の子どもが明確に拒否している場合に、子どもの意思を軽視して交流を強行してよいというものではありません。
大阪高等裁判所平成29年4月28日決定
父が、母らに対し、父を未成年者(15歳)と面会交流させる義務を履行しなかったとして、間接強制の申立てをした事案について、間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行することができる場合であることが必要であるが、本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上、本件未成年者は父との面会交流を拒否する意思を強固に形成しているところ、本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば、母らにおいて本件未成年者に面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり、かえって未成年者の福祉に反することから、本件債務は母らの意思のみによって履行することはできず履行不能であるなどとして、父の間接強制の申立てを却下した事例です。
(判例タイムズ1447号102頁)
現在の用語では「親子交流」と整理されますが、15歳以上の子どもの意思、精神的成熟度、子の福祉を重視すべきであるという点は、現行法の下でも重要です。
※本コラムは掲載日時点の法令等に基づいて執筆しております。
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