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年金分割 ~3号分割とは~

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年金分割

夫婦が離婚したとき、婚姻期間中に加入していた厚生年金保険料の納付記録を、妻と夫との間で分割することができる制度のことを年金分割といいます。
{年金分割制度の概要については、年金分割 ~離婚時年金分割制度とは~をご参照ください。}

年金分割には、合意分割と3号分割の二つの制度がありますが、ここでは3号分割についてご説明します。
{合意分割については、年金分割 ~合意分割とは~をご参照ください}

国民年金の被保険者

3号分割をご説明するにあたり、前提として、国民年金の被保険者について、簡単にご説明します。

国民年金の被保険者は、保険料の納付方法の違いなどによって、次の3種類に分かれています。

第1号被保険者…日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方で、第2号、第3号被保険者に該当しない方(自営業者とその配偶者、無職の方とその配偶者、学生等)。

第2号被保険者…原則として65歳未満の、厚生年金保険や共済組合等に加入している方(会社員、公務員等)。

第3号被保険者…第2号被保険者に扶養されている配偶者の方で、原則として年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の方(専業主婦等)。

3号分割制度の概要

3号分割とは、婚姻期間中、夫婦の一方が、国民年金の第3号被保険者であった期間(但し、平成20年4月1日以後の期間に限る)について、第3号被保険者であった一方配偶者からの請求により、相手方の合意なしに、相手方の厚生年金保険料納付記録を2分の1ずつ分割することができる制度です。
3号分割の当事者は、「特定被保険者」(厚生年金保険の被保険者であり、年金分割をされる人)、「被扶養配偶者」(第3号被保険者)と呼ばれます。

3号分割の手続の流れ

離婚後に、被扶養配偶者が、その住所地を管轄する年金事務所に標準報酬改定請求書(離婚時の年金分割の請求書)を提出します。
なお、3号分割するためには、「請求すること」が必要です。離婚することによって自動的に分割されるものではないことに注意が必要です。

3号分割の対象となる期間

3号分割の対象となる期間は、平成20年4月1日以降の婚姻期間のうち、夫又は妻が第3号被保険者となっていた期間です。

按分割合の範囲

按分割合は、法律上2分の1と定められています(厚生年金保険法78条の14第3項)。
3号分割は、夫と妻が按分割合を取り決める必要はなく、3号分割の請求があれば、強制的かつ自動的に2分の1に分割されることになります。

請求期間

合意分割と同様、原則として離婚が成立した日の翌日から2年以内に行わなければなりません。