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会社経営者(社長)の夫をもつ妻の離婚 ~合同会社の出資持分の財産分与~

  • 会社経営者(社長)
夫婦が離婚するにあたっては、それまで夫婦が婚姻生活の中で協力して形成してきた共有財産を財産分与する必要があります。このことは夫が会社経営者の場合も何ら異なるところはありません。

では、婚姻後に夫婦が協力して合同会社を設立し、夫が合同会社の出資持分を保有している場合、離婚時の財産分与はどのように行うのでしょうか。

合同会社とは

合同会社とは、出資者の責任が出資額までの範囲に限定され、また、出資者以外であっても、定款で定めた場合は、利益・権限を配分できる会社をいいます。

2006年施行の新会社法で導入された会社形態で、1人でも設立することができるため、起業家を応援することができる制度として期待されています。

出資持分そのものの分与について

例えば、夫が合同会社の出資持分の20パーセントを保有していた場合、財産分与に伴い、2分の1の割合である10%の出資持分の分与を受けることはできるのでしょうか。

この点、株式会社の場合は、株主が株式を譲渡して投下資本を回収することは原則として自由ですが、合同会社の場合は、社員が出資持分を譲渡して投下資本の回収を図ることは原則として制限されています。

すなわち、合同会社では、社員=経営者と考えられているため、その出資持分を譲渡するには、他の社員全員の同意が必要となるのです。

このように、合同会社の出資持分の譲渡には制限があり、夫婦間で自由に決めることができる問題ではありませんので、合同会社の出資持分が夫婦共有財産である場合は、出資持分そのものの分与を受けることは難しいといえます。

合同会社の出資持分の評価方法

上記のとおり、合同会社の出資持分については、そのものを分与することが難しいため、出資持分が財産分与の対象財産となっている場合は、出資持分を金銭的に評価して、金銭で分与を行う方がよいでしょう。

具体的には、夫の保有している合同会社の出資持分について、金銭に換算したらいくらになるかを評価したうえで、その評価額の2分の1を、金銭で受領することになります。

そして、合同会社の出資持分は、合同会社の出資持分は、取引相場のない株式の評価方法に準じて評化することになります。

詳しくは、
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