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夫に不貞行為を疑われて離婚を切り出された事例

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依頼者・相談者

女性 50代

背景・相談内容

私は、約20年前に夫と婚姻しましたが、約2年前より、異性の友人と親しくしていたため、夫に不貞行為を疑われてしまいました。
その結果、夫は自宅を出ていってしまい、現在、夫からは離婚を求められています。

なお、その友人とは、体の関係はありませんでしたが、定期的に食事にいったり、数回旅行に行ったりなどしておりました。
私は、離婚の条件として、夫から不貞行為の慰謝料として、300万円を請求されています。
夫との夫婦関係は、既に冷え切っておりますので、離婚には応じるつもりですが、私は夫に慰謝料を支払わなければならないのでしょうか。
また、夫婦の財産として、自宅不動産、預貯金、保険、夫の退職金、自動車などがありますが、どのように分けることになりますか。

弁護士の回答・アドバイス

あなたとご友人との間には、体の関係はなかったということなので、あなたの行為は厳密には「不貞行為」には該当しません。
しかしながら、あなたはご友人と一緒に旅行に行かれたということですので、裁判となった場合、そのシチュエーションから、体の関係があった=不貞行為があったと認定され、不貞行為の慰謝料の支払いを命じられる可能性があります。
また、体の関係があったとの認定がなされなかったとしても、あなたと友人が親密な関係を作ることにより離婚の原因を作ったとして、不法行為が認められ、慰謝料の支払いを命じられる可能性もあります。
この場合、慰謝料の額は、体の関係があった場合と比べ、低額になるものと考えられますが、判決になった場合、慰謝料の支払いを命じられる可能性もあることを前提に、条件を検討すべきです。

また、財産分与については、別居開始時点の財産を基準として、原則それぞれ2分の1ずつの割合で、財産を分けることになります。
夫婦のどちらがどのような財産を取得するかは、夫婦の話し合いにより決めることになります。
なお、保険については、別居開始時点の解約返戻金額を基準として、財産分与額を決めるとよいでしょう。
また、夫の退職金については、勤務期間に対して夫婦が同居していた期間がどの程度であったかなどを考慮して、財産分与に組み入れる額を算出するとよいでしょう。