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自動車の財産分与① ~自動車の査定について~

  • 財産分与

 離婚の際に自動車を所有していた場合、どのように財産分与すれば良いのでしょうか。

 本コラムでは自動車の財産分与における自動車の査定について解説いたします。

自動車が財産分与の対象となるか

 夫婦が婚姻期間中に購入した自動車は、原則として、夫婦の共有財産になり、財産分与の対象になります。

 しかし、下記のような場合は、特有財産となり、財産分与の対象となりません。

  • 婚姻前から所有していた車(婚姻以前の貯金で購入した車)
  • 親からの贈与や相続によって得た車
  • 別居後に購入した車

 ただし、特有財産に該当するとしても、車検費用、メンテナンス費用など自動車の維持費を共有財産から支出していた場合、例外的に財産分与の対象に含まれることもあります。

資産価値の把握

 財産分与の内容を決める際には、自動車がどれくらいの資産価値があるかを把握する必要があります。

 自動車は車種の人気・需要、年式、走行距離との要因で資産価値が変わってきます。

評価の基準時

 自動車の評価額については、財産分与時とするのが一般的です。

査定方法

 自動車の査定にあたっては、まず、自動車の車検証でメーカー名・型式・初度登録年月を、走行距離計で走行距離を確認します。

 上記情報から、取引相場を確認します。取引相場の確認方法としては、以下があります。

  • オートガイド自動車価格月報(通称レッドブック)を確認する
  • 中古買取業者に査定を依頼する

自動車ローンの検討

 車のローンが残っている場合には、ローン残額と自動車の評価額の関係によって、財産分与での取り扱いが異なります。

査定額がローン残高よりも高い場合(アンダーローン)

 自動車の査定額が、自動車ローン残額を上回っている状態のことをアンダーローンといいます。この場合、査定額からローン残額を差し引いた金額が、車の実質的な価値となり、これが財産分与の対象となります。

ローン残高が査定額を上回る場合(オーバーローン)

 自動車ローン残額が、自動車の査定額を上回っている状態のことをオーバーローンといいます。この場合、車の実質的な価値はゼロとなりますので、財産分与の対象にはなりません。

注意点

 自動車ローンが残っている場合、車の所有権は販売店やローン会社がもっていることが一般的です。この場合は、自動車を売却する場合、販売店やローン会社の同意を得ずに勝手に売却することはできません。

 また夫婦のどちらかが使い続ける場合でも、自動車の使用者の名義やローンの契約者変更が必要となります。この場合にも、販売店やローン会社の同意が必要になります。ローン会社によっては名義変更できない場合もありますので、その場合は、自動車ローンの残額を返済した上で名義変更をする方法や、名義変更が必要でない分与の方法を検討する必要があります。