離婚届にサインをしてもらっていれば、今は離婚するつもりがないと言っている夫とも離婚することができるのでしょうか? - 小西法律事務所(離婚の法律相談)離婚について弁護士への無料相談は、小西法律事務所(大阪市北区)まで

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離婚届にサインをしてもらっていれば、今は離婚するつもりがないと言っている夫とも離婚することができるのでしょうか?

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依頼者・相談者

女性 40代

背景・相談内容

夫とは平成9年に結婚しましたが、夫には浪費癖があり、困っています。
以前から何度も話し合いをしてきたのですが、夫の浪費癖は一向に治りません。
この前も、私に相談なしに5~600万円もするバイクを、ローンを組んで買ってきました。
そこで、ついに離婚話を切り出すと、夫は私の要求通り、離婚届にサインをしてくれました。

しかし、夫は、夫婦で保有している土地や建物を含めた財産分与の話になると、やっぱり離婚はしたくないと言い出したのです。
また、夫と私は結婚当初から共同で会社を経営しており、それぞれ会社の株式を持っているので、この処理もどうすべきか悩んでいます。

とにかく私は離婚したいという気持ちが強いのですが、離婚届にサインをしてもらっていれば、今は離婚するつもりがないと言っている夫とも離婚することができるのでしょうか?

弁護士の回答・アドバイス

夫婦間でお互いに離婚の意思がある場合には、届出をすることによって、離婚をすることができます(この離婚を協議離婚といいます。民法763条)。
この、協議離婚の要件としては、夫婦間の離婚意思の合致と、戸籍法に基づく届出が必要となります。
そして、判例は、離婚意思は届出のときに存在していなければならないとしています(最判昭和34年8月7日民集13巻10号1251頁)。
そのため、仮に離婚届に夫がサインしていたとしても、現在夫に離婚する意思がないのであれば、離婚届を提出することはできません。

そこで、夫婦間で話し合いをしても離婚の話が進まないのであれば、離婚をするためには、まずは協議離婚の成立を目指して、弁護士を介して、夫に対して、不動産や会社株式をどのように扱うかを含めた財産分与の案を提示するなどし、夫と協議することになります。
そこで、話がまとまれば協議離婚をすることができますが、それが難しい場合には離婚調停を申し立てることになります。
調停も成立しなければ、裁判離婚をするために訴訟を提起しなければならないことになります。
ただし、裁判離婚の場合には、離婚原因が認められる必要があるため(民法770条1項)、離婚することは容易ではありません。