夫に給与所得のほかに事業所得がある場合、養育費の算定はどのようになるのでしょうか? - 小西法律事務所(離婚の法律相談)離婚について弁護士への無料相談は、小西法律事務所(大阪市北区)まで

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夫に給与所得のほかに事業所得がある場合、養育費の算定はどのようになるのでしょうか?

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依頼者・相談者

女性 20代

背景・相談内容

先日、夫から離婚を切り出され、離婚自体には応じようかと考えています。
しかし、私には、現在1歳の子どもがいるので、夫には養育費をしっかりと払ってもらいたいと考えています。

夫は、会社員として給与収入を得ていますが、それに加えて、友人の立ち上げた事業の手伝いをして事業所得を得ています。
このような場合に、養育費の算定はどのようになるのでしょうか?
なお、私は専業主婦で、夫の給与所得は年収240万円弱、事業所得の正確な金額は不明ですが、少なくとも年間120万円以上あるはずです。

弁護士の回答・アドバイス

離婚した後の養育費の算定においては、夫と妻のそれぞれの収入を基準とした算定表(「簡易迅速な養育費等の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案」判例タイムズ1111号285頁以下参照)を参考にすることが多いと思われますが、この算定表は給与所得者か事業所得者かによって収入欄が区別されています。
そこで、権利者又は義務者が給与所得と事業所得の両方の収入を得ている場合には、給与所得額と事業所得額の一方を他方に換算し、合算した額について算定表を利用する方法が考えられます(判例タイムズ1209号6頁)。

本件では、給与所得が240万円、事業所得が120万円以上なので、給与所得額を事業所得額に換算して、合算額について算定表を利用することが考えられます。
すなわち、給与所得240万円を事業所得に換算すると約180万円となります(算定表の収入欄参照)。
これを、事業所得(120万円以上)と合算すると、300万円以上となります。
そこで、本件の義務者たる夫については、年収300万円以上の事業所得者として算定表を適用することになり、養育費は月額4~6万円(以上)が相場ということになります。
ただし、権利者が現在無収入であっても、就労可能であると判断されれば、養育費が減額される可能性があるので注意が必要です。

※なお、この回答内容は、平成31年2月28日時点におけるものです。令和元年12月23日に最高裁判所が公表した養育費算定表においては、養育費の相場は変更されています。