離婚における条件をどのように決めたらいいでしょうか
- #住宅・不動産
- #相談事例
- #女性
- #離婚を求められた
- #養育費
依頼者・相談者
女性 30代
背景・相談内容
私たちの間には5歳になる子どもがおりますので、私は離婚に反対し、夫と何度も話合いを重ねましたが、夫はどうしても離婚したいようです。
最近、ようやく私としても離婚は仕方がないと考えるようになりましたので、今後、夫と離婚に向けた話し合いをせざるを得ないと考えています。
なお、婚姻後に取得した財産としては、マンション(ローンあり)、自動車などがあります。預金はお互いのものがありますが、ほとんど残っていません。
仕事はお互い会社員です。
今後、夫とどのように離婚条件を話し合ったらよいでしょうか。
ある程度の金額を一括でもらえるのであれば、離婚に応じてもいいかなと思っているのですが、それは損でしょうか。
弁護士の回答・アドバイス
当事者が合意さえすれば、離婚条件をどのように定めるかは自由ですので、ご自身が納得できる離婚条件を考える必要があります。
ただ、1から考えるのは大変だと思いますので、調停や裁判になったら、一般的にどのように考えられるか、というのを基準に考えてみられるのがよいと考えます。
たとえば、養育費については、裁判所が公開している『養育費・婚姻費用算定表』があり、これを参照することで、調停や裁判となった場合における養育費の額が概ね分かります。
一般的には、養育費は20歳までと定められることが多いので、お子さんが5歳ということであれば、『養育費・婚姻費用算定表』上の養育費の月額×12か月×15年で、相手方から支払を受けることができる養育費の大体の総額(もちろん、事案によって上下することがあります)が分かります。
また、財産分与については、夫からあなたに対し、「(プラスの財産の総額-マイナスの財産の総額)×2分の1」が分与されることが一般ですから、(マンションの売却価格+車両の売却価格-残ローンの総額)×2分の1をしてみると、大体の分与額が分かります(マイナスとなった場合は0円です)。
一般的なアドバイスとしては、夫からあなたに対して、これらの計算によって得られる「大体の養育費の額」+「大体の財産分与額」を上回る金銭的な支払がされるような内容の離婚条件であれば、経済的な観点からは、あなたにとって「有利」と考えられます。
逆に、ある程度の金額を一括で支払ってもらえるとしても、一括で支払われる金額が、これらを下回るものであれば、経済的な観点からは、あなたにとって「不利」と考えられます。
まずは、ご自宅の不動産の売却価格やローンの正確な残高を調べてみて、大体の試算をされるのがよいと考えます。
その上で、夫と離婚条件について話し合いをされてみるのがいいかと思います。