シェルターの利用
配偶者暴力相談支援センター等における一時保護
配偶者暴力相談支援センター(以下「支援センター」といいます。)は、DV被害者の保護や自立支援において中心的な役割を果たす機関です。
支援センターは、各都道府県や市町村に設置され、被害者の相談、医学的・心理的な指導、緊急時の一時保護、自立支援、保護命令制度の利用に関する情報提供など、多角的な支援を行っています。また、民間シェルター(NGOやNPO運営)などの民間団体に一時保護が委託される場合もあります。
シェルターの利用手続と緊急時の対応
一時保護は、配偶者暴力相談支援センター、女性相談支援センター、女性相談支援員等への相談を通じて利用が検討されます。一方で、緊急を要する事態や夜間等の場合には、警察に助けを求めることが重要です。警察は、事案に応じて避難先としてのシェルターを紹介し、必要であれば警察官が施設まで送り届けるなどの対応を行います。
共同親権下における子を連れた避難の適法性
父母双方が親権者である場合、親権は共同して行うのが原則ですが、民法第824条の2第1項の例外として、「子の利益のため急迫の事情があるとき」は、一方の親が単独で親権を行使(子の居所の指定等)することができます。DVや虐待から避難する必要がある場合には、子の利益のため急迫の事情があるとして、一方の親が単独で親権を行使することが認められる場面があり、相手方の同意を得ずに子を連れて避難したとしても、それだけで直ちに問題となるものではありません。
避難時の留意事項と持参品
避難に際しては、後日の自立や法的手続きを円滑に進めるため、可能な限り以下の物品や資料を持参することをお勧めします。
- 生活必需品:現金、預金通帳、キャッシュカード、印鑑、健康保険証、常用薬、身分証明書(免許証、マイナンバーカード等)
- 子どもの関係:子どもの学用品、衣類
- 証拠・資料:暴力による怪我の写真、診断書、暴言のメール等の記録、婚姻費用・養育費算定のための収入資料(源泉徴収票、給与明細)、財産分与のための共有財産に関する資料
なお、通帳や保険証の利用履歴から所在が発覚するおそれがあるため、利用には注意が必要です。もし避難時に十分な資料を確保できなかった場合でも、裁判所での財産分与や養育費の請求手続において、相手方の収入や資産状況を確認する手続を利用することが検討されます。

