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離婚についての知識knowledge

安全確保

DV(配偶者からの暴力)事案における安全確保は、加害者による居所の特定を未然に防ぐための情報管理と、DV防止法等の法令に基づく公的支援および保護命令の活用が中心となります。共同親権制度のもとでも、DVや虐待のおそれがある場合の被害者保護が法的に明文化されています。

別居や避難に際しての注意点

別居や避難に際しては、当面の生活に必要な現金、預金通帳、キャッシュカード、印鑑、身分証明書(パスポート、免許証、マイナンバーカード等)、健康保険証、常用薬、子の学用品や衣類を確保することが重要です。また、離婚手続や慰謝料請求の証拠として、暴力の受傷状況の写真や診断書、暴言のメール、収入資料(源泉徴収票等)をあらかじめ確保しておくことが望ましいとされています。一方で、別居後にこれらの通帳やキャッシュカード、健康保険証等を利用すると、その履歴から所在が相手方に知れるおそれがあるため、十分な注意が必要です。

居所を特定されないために

居所を特定されないための予防措置として、家族や友人への連絡は必要最小限にし、加害者からの問い合わせに応じないよう依頼しておく必要があります。特に運送業者や学校、親族等を通じて避難先が判明することを防ぐための教示も重要です。また、住民登録と居所を違える対応は日常生活に不便を来たすため、自治体に「DV等支援措置(閲覧制限)」を申し出ることにより、加害者からの住民票や戸籍の附票の写しの交付、閲覧を制限することが一般的です。この措置が講じられた場合、加害者からの請求は「不当な目的」があるとして拒否され、第三者からの請求についても本人確認や利用目的の厳格な審査が行われます。

共同親権制度下での配慮

共同親権制度においても、DV事案への配慮がなされています。裁判所が離婚後の親権者を定める際、父母の一方が他方からDV(身体的暴力に加え、心身に有害な影響を及ぼす言動を含む)を受けるおそれがあるなど、父母が共同して親権を行うことが困難と認められる場合は、子の利益を害すると判断され、単独親権が選択されることになります。また、婚姻中や離婚後の共同親権であっても、DVや虐待からの避難は「親権を単独で行使できる急迫の事情」に該当するとされており、加害者の同意なく子を連れて避難することが認められます。

行政上の措置

行政・法務上のその他の情報保護措置も拡充されています。不動産登記においては、DV被害者等の申出により、登記事項証明書に住所に代わる事項を記載する特例が設けられています。商業登記においても、役員の住所非表示措置が可能です。また、子どもの就学に関しては、文部科学省の通知に基づき、学校や教育委員会は転学先や居住地情報を厳重に管理し、開示請求等に対しても特に慎重に対応することが求められています。

保護命令

具体的な身体的安全を確保するための手段として、DV防止法に基づく「保護命令」があります。これには、被害者や同居の子、親族等への接近禁止命令(つきまといや付近のはいかいの禁止)、住居からの退去命令(原則2か月間)、電話等禁止命令が含まれます。