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離婚についての知識knowledge

離婚慰謝料

配偶者に対する慰謝料請求

慰謝料が認められる有責行為の具体例として、不貞行為、暴力(DV)、悪意の遺棄、重大な侮辱、浪費、犯罪行為などが挙げられます。実務上、「モラルハラスメント」や「精神的虐待」については、程度が甚だしく悪質な態様であることが要求されます。

慰謝料額の算定基準について、交通事故のような統一的な算定表は存在しません。裁判所は、有責配偶者と他方配偶者の双方の諸事情を総合的に勘案して算定します。主な考慮要素は以下の通りです。

  • 有責性の程度:不法行為の回数、期間、態様の悪質性。
  • 婚姻の実態:婚姻期間、同居期間、別居期間の長さ。
  • 当事者の属性:双方の年齢、社会的地位、支払能力(資産・収入・負債)。
  • 子の状況:未成熟子の有無や数、監護・教育の状況。
  • 離婚後の事情:財産分与の額、自活能力の有無、養育費の支払い状況

離婚慰謝料が認められない場合

慰謝料請求が認められない主な事例は以下の通りです。

因果関係の欠如:有責行為(暴力等)があっても、その後に長期間同居を継続している場合や、事故など有責行為以外の理由で離婚に至った場合などは、因果関係が否定されることがあります。
責任の同等性:請求者側にも離婚の結果を招いた責任の一半がある場合、離婚が認められること自体で苦痛が慰謝されるとして、慰謝料が否定される例があります。
破綻後の行為:既に婚姻関係が完全に破綻した後に生じた不貞行為などは、原則として不法行為責任を負いません。

不貞行為の相手方に対する慰謝料請求

配偶者の不貞の相手方に対する慰謝料請求について、判例は、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両者の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである。」として、これを肯定しています。 この慰謝料請求権は、通常の民事訴訟により請求するものですが、配偶者に対する離婚請求と併合して、家庭裁判所に請求することもできます。

慰謝料額の算定

慰謝料額については、違法性や損害の程度によって異なり、不貞行為の期間、回数、関係の発生や継続についての主導性、配偶者との聞に未成熟子が存在するか、不貞行為により夫婦関係が破綻に至ったか、不貞を被った配偶者自身の責任については免除しているか、相手方と配偶者の関係がすでに解消したかなどの諸事情が考慮され金額が決定されます。

すでに婚姻関係が破綻している場合

婚姻関係が破綻した後に一方配偶者と不貞行為に至った相手方の責任について、最高裁は、「婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情がない限り、不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。」と判断しています。

子どもからの慰謝料請求

子どもから不貞行為の相手方に対し、慰謝料請求することは、原則としてできません。ただし、不貞の相手方が特に子どもの利益を害することを意図しているような例外的な場合には、認められる場合もあります。