離婚後の氏と戸籍に関する手続き - 小西法律事務所(離婚の法律相談)離婚について弁護士への無料相談は、小西法律事務所(大阪市北区)まで

離婚についての知識knowledge

離婚後の氏と戸籍に関する手続き

離婚に際して、婚姻時に氏(名字)を改めた配偶者は、原則として婚姻前の氏に戻ることになりますが、希望により婚姻中の氏を使い続けることも可能です。これに伴い、戸籍についても、元の戸籍に戻るか新しい戸籍を作るかを選択する必要があります。

離婚に伴う氏の変動(復氏と婚氏続称)

復氏の原則

婚姻によって氏を改めた夫または妻は、離婚によって当然に婚姻前の氏に復します(民法767条1項)。これを「復氏」と呼びます。婚姻取消の場合も同様です。

婚氏続称の制度

離婚の日から3か月以内に戸籍法の定めに従って届け出ることにより、離婚の際に称していた氏(婚氏)をそのまま称することができます(民法767条2項、戸籍法77条の2)。これを「婚氏続称」といいます。婚氏続称の利用は、2022年の統計によれば離婚した配偶者の約45.4%にのぼります。

この届出に元配偶者の許可は不要であり、個人の自由な意思で選択可能です。

婚氏続称の手続と期間

届出期間

婚氏続称の届出は、離婚の日(協議離婚の場合は届出日、裁判離婚の場合は調停成立日や判決確定日など)から3か月以内に行う必要があります。

届出の方法

離婚の届出と同時に行うことも、離婚後に別途行うことも可能です。届出先は、夫婦の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場です。離婚届と同時に婚氏続称を届け出る場合、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄は空白のままにします。

離婚に伴う戸籍の変動

除籍と復籍

婚姻により氏を改めた者は、離婚により筆頭者の戸籍から除籍されます。原則として婚姻前の戸籍に戻ります(復籍)。実方の父母が転籍している場合は、転籍後の現在の戸籍に入ることになります。

新戸籍の編製

以下の場合は、自分を筆頭者とする新しい戸籍が編製されます。

・復籍すべき婚姻前の戸籍が既に除かれているとき

・復氏する者が新戸籍の編製を申し出たとき

・婚氏続称の届出を行ったとき

子の氏と戸籍への影響

父母が離婚しても、子の氏および戸籍は当然には変更されません。子は離婚時の戸籍筆頭者の戸籍に残ります。たとえば、親権者が母となり、母が婚氏続称によって父と同じ呼称の氏を名乗っていても、民法上の氏が異なるため、子は母の戸籍には入りません。母と子が氏を同じくし、同じ戸籍に入るためには、家庭裁判所へ「子の氏の変更許可」を申し立て(民法791条1項)、許可を得た後に市区町村へ入籍届を提出する必要があります。

3か月経過後または事情変更による氏の変更

離婚から3か月を経過した後に婚氏続称を希望する場合、あるいは一度婚氏続称を選択した後に婚姻前の氏に戻りたい場合には、家庭裁判所の「氏の変更許可」を得る必要があります(戸籍法107条1項)。これには「やむを得ない事由」が必要ですが、判例上、婚氏続称から婚姻前の氏に戻す場合は、復氏が原則であるという考えから、他の氏の変更事由に比べて要件が緩和して解釈される傾向にあります。