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離婚についての知識knowledge

裁判離婚

裁判離婚とは

夫婦の一方が離婚を望んでも他方が応じないなど、夫婦間の合意によって離婚ができない場合、家庭裁判所に離婚の訴えを提起し、判決によって離婚を成立させることができます。これを裁判離婚といいます。 協議離婚や調停離婚が当事者の合意を基礎とするのに対し、裁判離婚では、判決で離婚を認めてもらうために、法律で定められた「離婚原因」の存在が認められる必要があります。ただし、離婚訴訟の途中であっても、当事者間で和解が成立したり(和解離婚)、事案により被告が原告の請求を認諾したり(認諾離婚)することによって、判決によらずに離婚することも可能です。離婚を命じる判決に不服がある場合は、上訴(控訴・上告)することができます。

離婚原因

令和6年の民法改正により、裁判離婚の離婚原因は変更されました。改正前は5つの事由が定められていましたが、そのうち「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」という事由が削除され、現在は以下の4つの離婚原因が定められています。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき(1号)
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき(2号)
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(3号)
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(4号)

なお、裁判所は、1号から3号までの離婚原因が存在すると認定した場合でも、「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認める」ときには、離婚の請求を棄却することができます。これを「裁量棄却」といいます。

管轄

離婚訴訟は、原則として「夫または妻の普通裁判籍の所在地を管轄する家庭裁判所」に提起します。ただし、裁判所が離婚訴訟の管轄を有しない場合でも、その訴訟に先立つ調停事件がその家庭裁判所に係属していた場合などには、調停の経過や当事者の意見などを考慮して特に必要があると認めるときは、申立てまたは職権で、その家庭裁判所が自ら審理・裁判を行うこと(自庁処理)ができます。

離婚の請求

離婚の訴えは、訴状を管轄の家庭裁判所に提出して行います。訴状には、当事者、請求の趣旨、請求の原因などを記載します。 裁判実務では、具体的な離婚原因(1号~3号)を主張する場合であっても、予備的に4号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」を併せて請求することが多いです。

附帯処分

離婚の訴えにおいては、離婚そのものの審理とあわせて、離婚に伴い発生する様々な法律問題について、申立てにより同時に裁判所の判断を求めることができます。これを「附帯処分」といいます。附帯処分は、離婚等の請求原因と密接な関係を持つ身分的・財産的事項について、当事者の便宜や訴訟経済の観点から、離婚と同時に解決するために認められています。
附帯処分の申立てができる主な事項は以下の通りです。

  • 子の監護に関する処分(親権者の指定、養育費、面会交流など)
  • 財産分与に関する処分
  • 年金分割に関する処分(標準報酬等の按分割合に関する処分)

附帯処分の申立ては、書面で行う必要があり、事実審の口頭弁論終結時まで可能です。実務上は、離婚訴訟の提起と同時に申し立てられることが多いです。

子の監護に関する処分

子の監護に関する処分には、親権者の指定、養育費の分担、親子交流(面会交流)などが含まれます。

  • 親権者の指定
    夫婦間に未成年の子がいる場合、裁判所は申立てがなくても職権で親権者を定めなければなりません。したがって、親権者の指定を求める申立ては、厳密には附帯処分の申立てではなく、裁判所の職権発動を促す申立てと位置づけられます。 令和6年改正民法により、離婚後の親権について、父母の一方を親権者とする「単独親権」だけでなく、父母の双方を親権者とする「共同親権」も選択できるようになりました。裁判所は、子の利益のために、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮して、いずれか一方または双方を親権者として指定します。
  • 親権行使者の指定(共同親権の場合)
    共同親権が定められた場合でも、急を要しない子の転居や財産管理など、特定の事項について父母の意見が対立することがあります。このような場合、家庭裁判所は、父または母の請求により、その事項について単独で親権を行使する者(親権行使者)を指定することができます。
  • 養育費
    養育費(子の監護に要する費用)の分担に関する申立ても附帯処分として行うことができます。令和6年改正法により、養育費の分担に関する処分の申立てがされている場合、裁判所は必要があると認めるときは、当事者に対し、その収入や資産の状況に関する情報の開示を命じる「情報開示命令」の制度が新設されました。正当な理由なくこの命令に従わない場合や、虚偽の情報を開示した場合には、10万円以下の過料に処せられることがあります。
  • 親子交流(面会交流)
    子を監護していない親が、子との面会交流を求める申立ても、子の監護に関する処分の一つとして行うことができます。裁判所は、子の利益を最も優先して考慮し、面会交流の可否やその方法について判断します。

財産分与に関する処分

財産分与の申立てをするにあたり、具体的な額や方法を明示する必要はありません。裁判所は、当事者が協力して得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与の額や方法を定めるため、当事者の申立て内容に拘束されません。令和6年改正法により、財産分与の申立てにおいても、裁判所が必要と認めるときは、当事者に対し、財産の状況に関する情報の開示を命じる「情報開示命令」を発することができるようになりました。正当な理由なく命令に従わない、または虚偽の情報を開示した場合は、10万円以下の過料に処せられることがあります。

年金分割に関する処分

離婚時の年金分割制度に基づき、厚生年金等の標準報酬の按分割合に関する処分も、附帯処分として申し立てることができます。

慰謝料請求

離婚に伴う慰謝料は、相手方の有責な行為(不法行為)によって離婚をやむなくされ、精神的苦痛を被ったことを理由として、その損害の賠償を求めるものです。離婚の原因を作った配偶者に対して請求することができます。 本来、慰謝料のような損害賠償請求は民事訴訟であり、家庭裁判所の管轄ではありません。しかし、離婚訴訟の原因である事実(例:不貞行為)によって生じた慰謝料請求については、当事者の立証の便宜や訴訟経済の観点から、人事訴訟法第17条の特則により、離婚訴訟と併合して家庭裁判所で審理・裁判をすることが認められています。多くの離婚訴訟では、この方法で慰謝料請求がなされています。