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離婚についての知識knowledge

合意分割の手続き

離婚の際には、婚姻期間中に形成された厚生年金の記録を分割する「年金分割」という制度があります。

年金分割には、当事者の合意によって割合を定める「合意分割」と、一定の条件を満たす場合に自動的に2分の1で分割される「3号分割」があります。

以下では、合意分割の仕組みと手続について解説します。

合意分割の手続きの流れと必要書類

合意分割を行うためには、まず当事者間で「按分割合(分割を受ける側の持分)」を定める必要があります。公正証書や公証人の認証がある書類を作成し、提出する場合は、内容の信用性が担保されているため、一方当事者(主に分割を受ける側)のみで年金事務所での請求手続きを行うことが可能です。これに対し、認証のない「年金分割の合意書」を用いる場合は、当事者双方が揃って年金事務所等に出頭して手続きを行う必要があります。合意書の中に「一方のみで手続きできる」旨の文言を盛り込んだとしても、単独での請求は認められません。

当事者間の話合いで合意ができなかった場合

当事者間での話合いがまとまらない場合や、話合いができない場合には、家庭裁判所に対して「請求すべき按分割合に関する処分」を申し立てることができます。

調停

離婚前であれば夫婦関係調整(離婚)調停の附随申立てとして、離婚後であれば按分割合を定める調停として申し立てます。

審判

按分割合を定める調停が不成立となった場合、自動的に審判手続きに移行します。

離婚訴訟

離婚訴訟の附帯処分として按分割合の定めを求めることができます。

按分割合

裁判所が按分割合を定める際は、対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与度その他一切の事情が考慮されますが、実務上は特段の事情がない限り、0.5(2分の1)と定められるのが一般的です。判例によれば、長期間の別居や一方の浪費といった事情があっても、直ちに0.5を下回る割合とされることは少なく、これらは財産分与等で解決すべき事項とされる傾向にあります。また、当事者間で「年金分割をしない」と合意し、それが熟慮の末になされたものであれば、公序良俗に反しない限り有効と判断された事例もあります。

標準報酬改定請求

按分割合が定まった後は、厚生労働大臣(日本年金機構・年金事務所)等に対して、必要書類を添付して、「標準報酬改定請求」を行う必要があります。提出先は、最寄りの年金事務所です。

標準報酬改定請求の期限

これまでは標準報酬改定請求は、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内に行わなければならないのが原則でしたが、令和8年4月1日以降に離婚が成立した場合は、離婚等をした日の翌日から起算して5年以内に伸長されました。

請求期限の特例

家庭裁判所手続が係属している場合

離婚後、請求期限内に按分割合を定める調停または審判を家庭裁判所に申し立てている場合、その手続が続いている間に原則の請求期限が経過しても、調停成立または審判確定の日の翌日から6か月以内であれば請求することができます。

原則期限の直前に調停・審判が終了した場合

原則の請求期限の前6か月以内に調停成立または審判確定した場合も、その日から6か月以内であれば請求することができます。

相手方死亡時の特例

分割割合を合意(または裁判所で決定)した後、年金事務所で請求する前に相手が死亡した場合は、死亡日から1か月以内に限り請求できます。 一方で、合意や審判で割合が決まる前に相手が死亡した場合は、もはや合意分割自体ができないことになります。