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離婚についての知識knowledge

親権

親権とは

親権とは、未成年の子を健全な社会人として育成するために親に認められた、子の利益のために行使されるべき権利と義務の総称です。民法では「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」と定められており、親権が子の利益を最優先するものであることが明確にされています。親権は、子の面倒を見たり教育したりする「身上監護権」と、子の財産を管理する「財産管理権」の2つに大別されます。

また、改正民法(令和8年4月1日施行)では、親権者が子を監護・教育する際の行為規範として、以下の点が明記されました。

  • 子の人格を尊重すること
  • 子の年齢及び発達の程度に配慮すること
  • 体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしないこと

親権の具体的な内容

身上監護権

身上監護権は、子の心身の健全な発達を図り、一人前の社会人として育成するために親に課せられた職分であり、具体的には以下の権利・義務が含まれます。

  • 監護教育権
    子どもの世話や教育を行う権利・義務です。
  • 居所指定権
    子どもが住む場所を指定する権利です。
  • 職業許可権
    未成年の子が職業を営むことを許可する権利です。

その他、15歳未満の子の養子縁組を代諾する権利など、法律で特に定められた場合に限り、子の身分行為に関する代理権も含まれます。

財産管理権

財産管理権とは、親権者が子の財産を管理し、その財産に関する法律行為について子を代表する権利・義務のことです。

離婚後の親権者の定め方

改正民法(令和8年4月1日施行)により、離婚後の親権者の定め方が大きく変わりました。これまでは父母のどちらか一方を親権者とする単独親権しか認められていませんでしたが、改正法施行後は父母双方が親権者となる共同親権も選択できるようになりました。

協議離婚の場合

父母の話し合い(協議)によって、離婚後の親権者を「父母の双方(共同親権)」とするか、「父母のいずれか一方(単独親権)」とするかを定めます。

協議が調わない場合

父母間の協議で親権者が決まらない場合、最終的には、家庭裁判所が親権者を定めます。家庭裁判所は、父母と子の関係、父母間の関係など、あらゆる事情を考慮し、「子の利益」の観点から共同親権とするか単独親権とするかを判断します。この際、共同親権か単独親権か、どちらか一方が原則として扱われるわけではなく、個別具体的な事情に応じて最善の判断がなされます。

ただし、以下のような場合には、子の利益を守るため、家庭裁判所は必ず単独親権を定めなければならないとされています。

  • 虐待のおそれがあると認められるとき
  • DVのおそれなど、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

これら以外にも、共同親権とすることで子の利益を害すると認められる場合には、単独親権が定められます。

共同親権における親権の行使

共同親権者となった場合、親権の行使にあたっては、原則として父母が共同で意思決定を行う必要があります。具体的には、以下のような子の人生に関わる重要な事項が該当します。

  • 進学先の選択
  • 転居先の決定
  • 生命に関わる医療行為への同意

一方で、以下の場合は例外的に父母の一方が単独で親権を行使することができます。

  • 監護及び教育に関する日常の行為
  • 子の利益のための急迫の事情があるとき(例:期限が迫った入学手続き、緊急の手術、虐待からの避難など)
意見が対立する場合の対応

父母が共同で決定すべき事項について意見が対立し、協議が調わない場合、父母のいずれかは家庭裁判所に対して、その特定の事項について単独で親権を行使できる者(親権行使者)を指定するよう請求することができます。