協議離婚
協議離婚とは
協議離婚は、夫婦間の離婚の合意(離婚意思の合致)と、戸籍法に定められた届出をすることによって成立します。
夫婦に未成年の子がいる場合は、離婚後の親権者を定めなければ、原則として離婚届は受理されません。令和6年の民法改正により、これまでの父母のどちらか一方を親権者とする「単独親権」だけでなく、父母双方を親権者とする「共同親権」も選択できるようになりました。
離婚の際に協議すべき事項
離婚の際には、主に以下の事項について協議で決めておくことが重要です。
- 親権者・監護者
未成年の子がいる場合に、単独親権とするか共同親権とするか、単独親権の場合はどちらを親権者とするかを定めます。共同親権を選択するかは、子の利益を踏まえて個別に判断します。また、必要に応じて、子の監護者等について定めます。 - 養育費
子の監護や教育のために必要な費用です。父母がその経済力に応じて分担します。
なお、改正民法によって、離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合でも、離婚後、主に子の監護をしている親は、相手方に対して法定養育費を請求できる制度が新設されました。 - 親子交流(面会交流)
子と離れて暮らす親と子が、定期的・継続的に会って話をしたり一緒に時間を過ごしたりすることです。子の利益を最も優先して、具体的な日時、場所、方法などを協議します。 - 財産分与
婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を分け合うことです。 - 慰謝料
不貞行為や暴力など、離婚の原因を作った側が、相手方の精神的苦痛に対して支払う金銭です。 - 年金分割
婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を、当事者間の合意または裁判所の決定に基づき分割する制度です。
協議の内容が決まったら
協議で決まった内容は、後の紛争を防ぐために「離婚協議書」として書面に残しておくことが大切です。特に養育費、財産分与、慰謝料などの金銭の支払いについては、強制執行認諾文言を付けた「公正証書」を作成することで、支払いが滞った場合に裁判を経ずに強制執行の手続きが可能となり、合意の履行を確保しやすくなります。
なお、令和6年の民法改正により、養育費の取り決めを書面(公正証書でなくても可)で交わしていれば、その債権に「先取特権」が付与され、債務名義がなくても相手方の財産から優先的に支払いを受けるための差押え手続きを申し立てることができるようになりました。この先取特権の規定は、改正法の施行前にされた養育費の取り決めについても適用されますが、対象となるのは施行日以降に発生する養育費に限られます。
当事者間での協議が難しい場合や、合意内容が複雑な場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、合意内容を「調停調書」に残す方法もあります。調停調書は確定判決と同様の効力を持ちます。
相手による無断での離婚届提出を防ぎたい場合
相手方が無断で離婚届を提出するおそれがある場合や、一度は離婚届に署名したものの翻意した場合には、本籍地または所在地の市区町村役場に「離婚届不受理申出」を提出しておくことで、届出が受理されるのを防ぐことができます。もし、自分の知らない間に離婚届が受理されてしまった場合でも、届出の時点で離婚の意思がなければその離婚は無効です。この場合、家庭裁判所での調停や訴訟を通じて離婚の無効を確認することになります。

