DVとは
DV(ドメスティック・バイオレンス)という用語自体は、法律上の一般用語として一義的に定まっているわけではありません。もっとも、一般的には、配偶者や恋人などの親密な関係にある者、あるいは過去にそのような関係にあった者から振るわれる暴力を指すものとして用いられています。
DV防止法上の定義
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」1条1項は、「配偶者からの暴力」について、「配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」と定めています。
暴力の具体的な形態
DVには以下のような多様な形態が含まれます。
- 身体的暴力
殴る、蹴る、髪を引っ張る、物を投げつける、首を絞める、引きずり回す、凶器を突きつけるなどの行為です。 - 精神的(心理的)暴力
大声で怒鳴る、長時間無視する、SNSで誹謗中傷する、行動を過度に監視・制限する(家族や友人と会わせない等)、脅迫的な言動を行うなどの行為です。 - 性的暴力
嫌がっているのに性行為を強要する、避妊に協力しない、中絶を強要するなどの行為が含まれます。 - 経済的暴力
生活費を渡さない、仕事を制限したり辞めさせたりする、無理やり物を買わせるなど、経済的な圧迫を加える行為です。
DV防止法の適用対象の被害者
法律婚
法律上の配偶者は、当然DV防止法の適用対象です。
事実婚(内縁関係)
婚姻の届出をしていない場合であっても、事実上婚姻関係と同様の事情にある者は「配偶者」に含まれ、DV防止法の適用対象となります。
離婚後の元配偶者
婚姻中(事実婚を含む)に配偶者から身体に対する暴力等を受けた者が、離婚後も引き続き元配偶者から受ける暴力についても、DV防止法上の「配偶者からの暴力」に含まれます。ただし、婚姻中には暴力がなく、離婚後になって初めて暴力が発生した場合には、同法の対象外となり、刑法等による対応が検討されることになります。
交際相手(デートDV)
原則として単なる恋人関係はDV防止法の適用対象に含まれません。 なお、平成25年の法改正により、「生活の本拠を共にする交際(同棲)」をしている関係にある相手からの暴力については、DV防止法の規定が準用されることとなりました。また、そのような関係を解消した後であっても、引き続き暴力を受ける場合には、同法が準用されることがあります。 生活の本拠を共にしない交際相手からの暴力については、現時点ではDV防止法の準用対象外です。この場合には、事案に応じて、刑事上・民事上の一般的な救済や、ストーカー規制法による対応が検討されます。

