警察の役割
警察官の基本的責務と措置(DV防止法8条)
警察官は、通報等により配偶者又は元配偶者(事実婚を含み、生活の本拠を共にする交際相手等に準用される場合を含みます。)からの身体に対する暴力が行われていると認めるときは、警察法や警察官職務執行法等の法令に基づき、暴力の制止や被害者の保護、被害の発生を防止するために必要な措置を講ずるよう努める義務(努力義務)を負っています。
刑事事件としての対応
DVは暴行罪、傷害罪、脅迫罪等に該当する犯罪です。被害者に被害届の提出意思がない場合でも、生命の危険が認められるなど必要性がある場合には、加害者の逮捕を含む強制捜査を行うことが検討されます。
警察本部長等による援助(DV防止法8条の2)
配偶者又は元配偶者(事実婚を含み、生活の本拠を共にする交際相手等に準用される場合を含みます。)から身体に対する暴力を受けている被害者から「被害を自ら防止するための援助を受けたい」旨の申出があり、その申出が相当と認められる場合、警察本部長等(警察署長を含む)は必要な援助を行うものとされています。被害者は、警察で所定の申出書(援助申出書)を提出することになります。 具体的な援助内容は以下の通りです。
避難その他の措置の教示
避難先の秘匿方法、所在を知らせる者の限定、学校を通じた所在判明の防止、証拠(診断書や記録)の保管方法などを具体的に助言します。
住所等を知られないための措置
加害者に被害者の住所・居所を知られないようにする措置(住民基本台帳事務における支援措置への協力や行方不明者届への対応等)を講じます。
加害者との接触回避・安全確保に関する援助
被害者が加害者に暴力を止めるよう誓約を求める「被害防止交渉」を支援します。これには、交渉に関する助言、被害者に代わっての加害者への連絡(日時・場所等の伝達)、警察施設の提供が含まれます。ただし、この交渉に離婚や親権の話し合いは含まれません。
その他の援助
110番緊急通報登録や防犯機器の貸出しなど、事案に応じた適当な援助が行われます。
保護命令との関係
相談等対応票の作成
警察はDVの相談を受けた際、全国統一の書式である「配偶者からの暴力相談等対応票」を作成します。配偶者からの暴力相談等対応票は、保護命令を審理する裁判所からの求めに応じて提出されます。
保護命令の申立て
保護命令(接近禁止命令等)の申立てにおいて、警察等への相談事実は申立書に記載すべき事項とされており、迅速な発令のための重要な要素となります。

