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離婚についての知識knowledge

ストーカー規制法

ストーカー規制法の活用

別居した後や離婚した後、配偶者や元配偶者が、復縁を求めて本人やその家族の自宅周辺を徘徊したり、何度も脅迫電話をかけてきたりすることがあります。
本人やその家族にとっては、大変な不安と心身の負担となります。平成16年12月に改正DV防止法が施行され、「暴力」の定義に「心身に有害な影響を及ぼす言動」も含まれるとされたほか、保護命令についても、①配偶者だけでなく、元配偶者からの申立ても認められる、②被害者だけでなく、被害者の同伴する子供への接近禁止命令も認められることになりました。
しかし、保護命令が認められるのは、身体に対する暴力があった場合に限られますし、例えば子供以外の家族、親族・支援者への暴力や脅迫、連続電話や徘徊行為など、DV防止法の規制が及ばず、引き続きストーカー規制法によりカバーしなければならない領域があることには変わりありません。
そこで、このような場合、ストーカー規制法(「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)の積極的な活用を考えるべきです。

「つきまとい等」「ストーカー行為」とは

ストーカー規制法は、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で」、「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」、①つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・見張り、②監視していると告げる、③面会・交際の要求、④粗野・乱暴な言動、⑤無言電話、連続した電話・ファクシミリ、⑥汚物などの送付、⑦名誉を傷つける、⑧性的しゅう恥心を侵害する行為を「つきまとい等」としています(ストーカー規制法2条1項)。

同じ相手に対し、これら「つきまとい等」の行為を、反復して行った場合、それは「ストーカー行為」とされます(ストーカー規制法2条2項)。
ただし、上記の①から④の行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限られます。なお、同一類型の「つきまとい等」を反復した場合にかぎられず、上記①~③のうちの複数の号を繰り返す「号またぎ」の場合にも、反復して行った場合に当たると判断した裁判例があります。
ストーカー規制法3条は、何人も、つきまとい等の行為により、相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならないとしています。「何人も」という以上、当然、配偶者・元配偶者の「つきまとい等」の行為も、ストーカー規制法による規制の対象となります。

つきまとい等の行為に対する対応

配偶者・元配偶者の「つきまとい等」の行為に対しては、ストーカー規制法に基づく以下のような対応が可能です。

警告を求める申出

警察につきまとい等の行為があったことを申告し、警告を求めます。

「禁止命令」の発令を促す申出

警告を受けても、配偶者、元配偶者がつきまとい等の行為を止めようとしない場合、その旨を公安委員会に申し述べ、さらにつきまとい等の行為を反復してはならないという禁止命令を発令するよう促します。
もし禁止命令に違反すれば、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金という刑罰の対象になります。

告訴

ストーカー行為は、それ自体が犯罪行為です(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)。配偶者・元配偶者のつきまとい等の行為が繰り返され、「ストーカー行為」と認定される程度になった場合には、警告や禁止命令を待つ必要はなく、直ちに告訴することも可能です。
告訴においては、警察に迅速に対応してもらえるよう、できれば写真・録音テープ・目撃者など、ストーカー行為の証拠を確保しておくことが望ましいでしょう。